神戸のランドマークとして親しまれてきた「こうべ花時計」は、いつどこで生まれ、なぜ移転を余儀なくされたのか。市民から観光客まで、多くがその歴史や現在の設置場所に興味を抱いています。日本で初めての花時計として1957年に設置されて以来、数々の改修と移動を重ねながら今に至るこの花時計の“歴史と移転”の全貌を、最新情報を交えて詳細にご案内します。
目次
神戸 花時計 歴史 移転 の背景と誕生
こうべ花時計が誕生したのは1957年4月26日、市役所の新庁舎落成に合わせた時です。国内初の花時計として、市の北側に設置され、直径6メートル、高さ2.25メートル、傾斜15度という設計が採用されました。文字盤には季節ごとの花々が飾られ、時計としての精度、防水性、花の入手と維持といった多くの課題を克服することで実現されました。誕生当初から、観光名所・市民の憩いの場としての役割が強く期待されていました。
当初の設置場所は神戸市役所庁舎北側で、庁舎の建て替えや市街地の再整備に伴い、移転や暫定的な設置が行われることになります。設置直後から花時計は市民に愛され、花のデザイン変更も年に数回行われてきました。現在の設置場所と移転の経緯は、神戸の都市計画とも密接に関連しています。
誕生のきっかけ
こうべ花時計の構想は、当時の助役が欧米で視察中、花時計の美しさに感銘を受けたことがきっかけです。国内では前例がほとんどなく、図面の入手や技術的な検討、防水や耐久性、針や機械室などの構造設計など、多くの専門家の協力を得て実現に至りました。時計の針は時針、分針、秒針ともに長さや重さがあり、風や雨などの自然条件に耐える構造とされています。
設計と技術的特徴
文字盤は6メートルの直径を持ち、傾斜15度という斬新なスタイルが採用されています。これは花壇としての見栄えと、遠くから見たときの視認性を重視したためです。針の素材はステンレス製で、強風や雨水からの耐性も考慮されました。機械室は文字盤下に設けられ、防水や湿度管理がしっかり行われています。停電時のバックアップ電源も備えており、防犯センサーの設置なども施工されています。
神戸 花時計 日本初としての意義
設置当時、日本には同様の花時計は存在せず、こうべ花時計が初でした。人々にとっては「世界をまねる都市」神戸の象徴となりました。以降、全国に多くの花時計が設置されましたが、その中でも直径や設置時期、公共空間としての歴史性において、こうべ花時計は特別な存在です。また、近年も季節やイベントに合わせた図案変更で注目を集め、市のシンボルとして機能しています。
移転の理由とプロセス

市役所庁舎の老朽化と再整備の計画が進む中、庁舎北側にある元の設置場所には冷却塔などの設備の配置が求められるようになりました。それが理由で、こうべ花時計は2019年3月に東遊園地の南側園地に暫定移転されました。移転は「仮」であるとされていましたが、市はその後恒久的な設置として現在地に残す方針を固めています。市民の意見を取り入れるアンケートでも約6割が現在地での継続に賛成しました。現在、移転は完成形とはされておらず、周辺公園施設や再整備計画の一環として見直しが行われています。
移転のきっかけは何か
主なきっかけは、市役所2号館および3号館の建て替え工事です。そのため、冷却塔設置などで元の場所に占有が必要となり、花時計の設置スペースが確保できなくなりました。このような設備設置のために源流的なシンボルを移動させざるを得ない状況となったのです。市役所庁舎再整備と都市景観保持の両立が求められました。
暫定移転の詳細
2018年末より撤去準備が始まり、2019年3月に東遊園地南側園地で暫定設置が完了しました。再始動セレモニーも行われ、比喩的な「最後のデザイン」が旧庁舎前で展示されたあと、新牛場地に移設されました。花苗は約3,000株が使用され、植え替えは1〜2か月ごとの頻度で行われています。
恒久設置の決定に至るまで
移転後、神戸市はウェブアンケートや市民意見を集め、現在地継続設置の支持が多数を占めていることを確認しました。東遊園地の再整備基本設計にも「花時計を恒久施設とする」ことが盛り込まれています。スペースの確保や景観、利便性など全体の都市デザインとの調和を考え、元の場所へ戻す案は諸条件から困難と判断されています。
現在のこうべ花時計の役割と最新情報
移転されたこうべ花時計は、東遊園地の南側園地に恒久的な設置として残る見込みです。再整備が進む東遊園地の中で、園地全体のランドマークとして、また市民交流やイベントの中心的存在として活用されています。公園の北側ではにぎわい拠点施設「URBAN PICNIC」が整備され、カフェや屋外図書館などを含む多目的活用が可能な空間となっています。また、花時計のデザインも季節や行事を反映し、多様性と美しさを維持しています。
デザインと植替えサイクル
漢字や動物をモチーフにした図柄、国際会議に連動した図案など、多彩なテーマで花壇が飾られています。植替えは約1か月から2か月に一度の頻度で行われ、季節感とイベント性を意識した花草や苗が使われています。市民からのデザイン公募も多く実施され、参加型の文化として定着しつつあります。
周辺施設との連携と都市景観
花時計は東遊園地の一部として、公園の再整備、歩道橋の整備、隣接施設との景観を考えて配置されています。「こども本の森 神戸」の開館や、公園内の芝生広場やテラスなど新しい施設の整備に合わせ、来訪者の回遊性や滞在性を高める配置が工夫されています。これにより、花時計前駅や百景としての風景における位置づけも強まっています。
市民の反応と評価
移転後の恒久設置に対し、市民アンケートで好意的な意見がおおよそ6割を占めました。歴史あるシンボルが移動することに対する不安や寂しさもあったものの、現在の場所での景観や利便性を評価する声が多くあります。また、東遊園地自体の再整備により、公園と花時計の関係性が再定義され、訪れる人々にとって過ごしやすい空間が生まれています。
神戸 花時計 と他都市の花時計比較
こうべ花時計は直径6メートルという規模で、日本国内では比較的大きめクラスですが、全国的にはもっと大きいものも存在します。他都市との比較から、この花時計の特徴が浮き彫りになります。デザイン変更の頻度、設置場所の公共性、都市再整備との整合性などが他の花時計との差別化ポイントです。こうべ花時計は市の顔として、その環境整備と更新が丁寧に行われている点が評価されています。
サイズと設置場所の比較
こうべ花時計は直径6メートル、高さ2・25メートル、傾斜15度という仕様です。他都市の花時計では直径30メートルを超えるものもありますが、こうべのものは都市中心部にあり、訪れやすさが強みです。設置場所の都市空間との調和や公共交通からのアクセス性が優れており、ランドマークとしての役割を果たしています。
デザインテーマの多様性
季節行事、公園施設記念、国際イベントなどテーマが多岐にわたります。市民の公募作品が採用されたり、社会的なメッセージ性を持たせる図案もあり、街の文化を映し出す存在となっています。他都市の花時計でもデザイン変化はありますが、こうべ花時計は変化の速さとテーマ性で特徴があります。
メンテナンスや技術の比較
機械の防水、防風や温湿度管理、バックアップ電源など技術面の工夫がこうべ花時計にはあります。植替えは頻度高く、スタッフの手による手間を惜しまないメンテナンス体制が整っています。他都市でも努力はされているものの、こうべのように市民参加やデザインの幅が広いケースは少ないと言えるでしょう。
まとめ
こうべ花時計は、日本で初めて設置された花時計として1957年から神戸市民と観光客に愛されてきました。市役所庁舎の建替えの都合で2019年に東遊園地へ暫定移転しましたが、現在では恒久的な設置が決まりつつあり、市の再整備計画と密接に連動しています。
デザイン変更の豊富さ、公共空間との調和、景観と利便性を兼ね備える移転という判断は、都市計画における現代的な価値観を反映しています。
歴史的価値と新しい都市の在り方を描き出すこうべ花時計は、今後も神戸の魅力を象徴するシンボルとして、多くの人に愛され続けることでしょう。
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